積み木は、形を見て考える力、バランスを感じる力、順序立てて組み立てる力など、幼児期の学びの土台を育てやすい遊びのひとつです。
一方で、最初から積み木に夢中になる子ばかりではありません。
積んで終わりになってしまったり、すぐに崩してしまったり、あまり関心を示さなかったりすることもあります。
けれども、それは「積み木に向いていない」ということではなく、まだおもしろさに出会えていないだけの場合も多いです。
大切なのは、上手に作らせることではなく、子どもが「やってみたい」と思える入り口をつくることです。
今回は、積み木を好きになるための工夫を3つご紹介します。
① 完成を目指す前に、「変化のおもしろさ」を味わえるようにする
大人はつい、「何か作ろう」「上手に積もう」と考えがちですが、子どもにとっては、積み木のおもしろさは完成品そのものよりも、手を動かしたときの変化にあることが少なくありません。
たとえば、横に並べると長くなる、上に重ねると高くなる、向きを変えると置き方が変わる、少しずれると倒れる、というような変化です。
こうした経験を通して、子どもは大きさ、向き、位置、重さ、安定といったことを体感的に学んでいきます。
ですから最初は、お城や家のような形を作らせようとしなくても大丈夫です。
「長く並べてみようか」「どこまで高くなるかな」と、変化そのものを楽しめる声かけをすることで、積み木への入り口がつくりやすくなります。
② 子どもが取り組みやすい“最初の課題”を用意する
積み木で遊ばない子の中には、「何をしたらよいか分からない」ために手が止まっている子もいます。
自由に遊んでよいと言われても、かえって難しく感じることがあるからです。
そのようなときは、自由すぎる状態のまま任せるのではなく、取り組みやすい最初の形を大人が少しだけ示してあげると、遊びが始まりやすくなります。
たとえば、同じ形を二つ並べて「同じにできるかな」と言ってみる、高さを二段だけ作って「続けられるかな」と渡してみる、色ごとに分けてみるなど、すぐに取りかかれるきっかけがあると、子どもは入りやすくなります。
ここで大切なのは、難しい見本を見せることではなく、少し頑張れば届く程度の課題にすることです。
「できそう」と感じることで、積み木への抵抗感が減り、自分から触る時間が増えていきます。
③ 崩れることも学びとして受け止める
積み木遊びでは、せっかく作っても崩れてしまうことがあります。
すると大人は、「かわいそう」「失敗させないようにしたい」と感じることもありますが、実はこの“崩れる経験”こそがとても大切です。
どうして倒れたのか、どこに置くと安定するのか、下を広くしたほうがよいのか。
子どもは崩れる経験を通して、形や重心、支え方を少しずつ学んでいきます。
うまくいかなかったときにすぐ作り直してあげるのではなく、「どこがぐらぐらしてたかな」「次はどうしたらいいかな」と一緒に見ていくことで、考える力が育ちます。
積み木は、正しく積むための遊びではなく、試して、崩れて、また試すことに意味のある遊びです。
その過程を急がせずに見守ることが、結果として積み木を好きになる近道になることがあります。
まとめ
積み木を好きになるために大切なのは、上手に作らせることではなく、子どもが「おもしろい」「もう少しやってみたい」と感じられる経験を重ねることです。
完成を急がず、変化のおもしろさに目を向け、取り組みやすいきっかけを用意し、崩れることも学びとして受け止めていくことで、積み木はただのおもちゃではなく、豊かな思考の土台を育てる遊びになっていきます。
これからも、知育玩具を通してどのような力が育つのか、ご家庭でどのように取り入れられるのかを、少しずつお伝えしていきたいと思います。
